リスクと安全保障

2014年10月29日 シンポジウム開催「これからの日本のリスクを俯瞰する」

2014.10.03

2014年10月29日 シンポジウム開催
「これからの日本のリスクを俯瞰する」

| 開催趣旨 | 概要 | シンポジウムの構成 | 調査結果・開催報告 | インタビュー |

| 欧米における試み | 関連記事 | 関連リンク |

開催趣旨

 広域そしてグローバルかつ重層的に相互連結し、さまざまなシステムに支えられている社会・政治・経済活動。それが今、多様なハザードや脅威にさらされている。これら諸活動のリスクは相互依存的でシステミックな性質をもち、国家の成長・競争力や国民生活へ深刻な障害となるという認識から、OECD各国では国家的リスクの評価および国家のレジリエンス強化の議論と実践が活発化している。我が国も東日本大震災・福島第一原子力発電所事故、近隣国との関係悪化、サイバー空間での悪意ある行為などを挙げるまでもなく、時間的・空間的に多様なハザード・脅威環境にある。そして、それらに起因して生じるリスク問題群の関係性は複雑・多様化そして複合化の様相を呈している。国家レベルのリスクへの対応には、まさに俯瞰的な分析と考察、そして責任ある戦略的なガバナンスの実践が求められている。

 本シンポジウムは二部から構成する。第一部では、今後10年程度を視野に入れたとき、日本が抱える可能性のある主要なリスクの構造の可視化を試みた日本のリスク・ランドスケープ調査の結果、および緊急事態対処におけるエネルギー確保などの検討を行ったCOCN(産業競争力懇談会)とのレジリエント・ガバナンス共同研究会の成果を報告する。第二部では、第一部での2件の報告も踏まえ、社会・経済・地政学・技術・環境などの学内外専門家の参加を得て、個別分野の主要なリスクやそれらの相互連関性やリスク対応に伴うトレードオフなどについてのラウンドテーブル・ディスカッションを行う。それによってシステミックな性質をもつリスク群に対する、国家としての包括的なリスクマネジメントおよび意思決定の重要性への認識と理解を高めるとともに、日本の分野横断的な政策課題を洗い出し問題提起したい。

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概要

主催

東京大学政策ビジョン研究センター、政策シンクネット

協力

科研費A「複合リスクガバナンス」(代表:城山英明)、東京大学GSDM

日時

2014年10月29日(水)
受付開始:9時30分
午前の部:10時から11時50分
午後の部:13時から17時30分

場所

東京大学本郷キャンパス 伊藤謝恩ホール(伊藤国際学術研究センター)
アクセス http://www.u-tokyo.ac.jp/ext01/iirc/access.html

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◆シンポジウムの構成

全体司会 松尾真紀子(東京大学 公共政策大学院・政策ビジョン研究センター特任研究員)

【午前の部】基調講演(10:05-11:50)

開会のあいさつ

城山英明

(東京大学 公共政策大学院 院長)

10:05-11:00

基調講演

レジリエント・ガバナンス研究会の成果 産業競争力懇談会(COCN)

浦嶋将年

(鹿島建設 専務執行役員)

浅野大介

(経済産業省資源エネルギー庁 石油精製備蓄課 課長補佐・東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員)

11:00-11:50

基調講演

リスク・ランドスケープ調査から

三國谷勝範

(東京大学 政策ビジョン研究センター教授)

11:50-13:00

昼休み

【午後の部】参加型ラウンドテーブル(13:00-17:30)

13:00-14:55

前半の部

座長

谷口武俊

(東京大学 政策ビジョン研究センター教授)

登壇者
(五十音順)

加藤浩徳

(東京大学大学院工学系研究科教授)

渋谷健司

(東京大学医学部医学系研究科教授)

蛭間芳樹

(日本政策投資銀行環境・CSR部、BCM格付主幹)

藤原帰一

(東京大学法学政治学研究科教授)

安井至

(独立行政法人製品評価技術基盤機構・理事長、東京大学名誉教授)

14:55-15:05

休憩

15:05-17:00

後半の部

座長

岸本充生

(東京大学 公共政策大学院・政策ビジョン研究センター教授)

登壇者
(五十音順)

小林慶一郎

(慶応義塾大学経済学部教授)

坂井修一

(東京大学情報理工学系研究科長・教授)

白波瀬佐和子

(東京大学人文社会系研究科教授)

西村清彦

(東京大学大学院経済学研究科長・経済学部長・教授)

森田朗

(国立社会保障・人口問題研究所所長、東京大学名誉教授、中央社会保険医療協議会会長)

17:00-17:30

全体総括

司会

城山英明

(東京大学 公共政策大学院 院長)

パネリスト

岸本充生、坂井修一、谷口武俊、三國谷勝範、森田朗

閉会あいさつ

坂田一郎

(東京大学 政策ビジョン研究センター センター長)

※ 当日のプログラム・参加者が変更になることがございますが、あらかじめご了承下さい。

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調査結果・開催報告

日本のリスク・ランドスケープ 第2回調査結果

公開シンポジウム開催報告

シンポジウム・リポート 1/3

鹿島建設専務執行役員 浦嶋将年

資源エネルギー庁 浅野大介

東京大学政策ビジョン研究センター 三國谷勝範

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インタビュー動画

東京大学教授 城山英明

鹿島建設専務執行役員 浦嶋将年

独立行政法人製品評価技術基盤機構理事長 安井至

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欧米におけるナショナル・リスク・アセスメントの試み
10月29日のシンポジウムをより深く考えるために

岸本充生

2001年の9.11同時多発テロや2008年のリーマン・ショックなどを受けて欧米諸国は、起こりうるリスク事象を幅広く俯瞰したうえで、対策の優先順位を付けるような戦略的な仕組みをナショナル・リスク・アセスメント(NRA)として構築しつつある。これに対して日本では、首都直下型地震や南海トラフの巨大地震といった特定かつ少数のワーストケースを想定したり、ボトムアップで「起きてはならない最悪の事態」を列挙したりというアプローチが中心である。ありうるリスクを俯瞰したり、それらの大きさや関連性を分析したり、優先順位を付けたりすることは実施されていない。今回のシンポジウムで紹介するリスクランドスケープ調査は、あくまでアンケートを用いた主観的な認知を示したものであり、オールハザードの仕組みを社会に実装するためには、NRAにどうつなげて行くかを検討する必要がある。

その参考として、代表的な4カ国のNRAの枠組みと結果の事例を簡単に紹介する。

英国

2000 年の燃料危機と洪水の多発を契機として危機管理に関する議論が始まり、2004 年に民間緊急事態法が成立した。同法に基づき、2005 年以降毎年NRA を実施している。NRA は省庁内で専門家が実施するが、結果は機密とされる。国民向けにはアセスメントに基づいた国レベルのリスク一覧(National Risk Register:NRR)が、2008 年版、2010 年版、2012年版、2013 年版と公開されている。

National Risk Register for Civil Emergencies - 2013 edition

National Risk Register:NRR

Figure 1.英国ナショナルリスクレジスターの2013年度の結果

オランダ

2007年に国家安全及び安全保障戦略(NSSS)を作成するとともに、国の重要な関心事項として、領土の安全保障、身体的安全、経済的安全保障、生態的安全、社会的政治的安定性の5つを挙げた.NSSSは,評価パートであるNRA部分と対応パートの2つの部分からなる.NRAの結果はこれまで、2008年、2009 年、2010 年、2011 年と4 回発表されている。

Government of the Netherlands, Crisis, national security and terrorism

Government of the Netherlands, Crisis, national security and terrorism

Figure 2.オランダの国家安全及び安全保障戦略(NSSS)における手順

スウェーデン

2011 年に欧州理事会が加盟国にNRAを実施するよう勧告したことを受けて、同年、緊急事態庁(MSB)がNRA の実施を担当することを政府が決定した。NRA は、対策も含めて7 つのステップからなり、1 年に1 度このサイクルを回すことになっている。2012年版が公開されている。

Swedish Civil Contingencies Agency, National risk and capability assessment

Swedish Civil Contingencies Agency, National risk and capability assessment

Figure 3.スウェーデンのナショナル・リスク・アセスメントの手順と結果

カナダ

2007年に緊急事態管理法が成立し、2009年カナダ公共安全庁が「全政府によるオールハザード・リスク評価(AHRA)」の実施に向けたパイロット・プロジェクトを開始した。ガイドラインを作成するとともに,2011年には6つのシナリオのリスクが解析された。

Public Safety Canada, All-Hazards Risk Assessment

Public Safety Canada, All-Hazards Risk Assessment

Figure 4. カナダのオールハザード・リスク管理(AHRM)の手順

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関連記事

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関連リンク

東京大学政策ビジョン研究センター シンポジウム開催案内

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